IT業界大手企業を退職し、大阪に拠点を移してからようやく1年が経ちました。この一年は特に本当に激動で、環境を大きく変えてみたことで自分の考え方や人生観まで大きく変化してきました。
そんな大きな「変化」のなかで、ちょっとした空虚な気持ちに苛まれるときがしばしばありました。今回は、そんな「空虚な気持ちの正体」について記録しておきたいと思います。
東京・渋谷という新しい文化が生み出される場所から、大阪・南港という地方×再開発失敗都市に拠点を移してみて、特に感じた事が「情報の流れの早さの違い」でした。渋谷でのビジネスでは特に情報の鮮度に敏感であることを求められてきました。
「あの会社がどのような新製品を開発していて、いつリリース予定」だとか「あのベンチャーが資本○億調達したから、次はこの業界が伸びる」だとか、そういった情報に対してシビアな姿勢が当たり前の環境でした。それは、会社がIT業界という先鋭的な業界だったからという事もありますが、そうでないにしても、地方企業は時流に帯する緊張感が大変弱いと感じました。
いままで「当然」だと思っていた速度環境から外れているわけですし、やっぱり違和感があるのはしょうがない事だと思いますが、なんだか胸のなかや身体がたまにムズムズします。ついついあの頃の刺激的な毎日を思い出します。
激流の潮目で泳いでいたマグロが一度その流れから外れてしまったときの「あ、みんないっちゃった」感は、きっと凄まじいと思います。取り残された形になりますし、おそらくもう戻れないからです。マグロになったことがないので正確には分かりませんがちょうどそんなような感じです。よくわかりませんね、なんか言いたかっただけです、すいません。
ただ、そんなマグロもきっと戻りたいと思うことはありません。それなりに身を削らなければ生き残れない環境だったからです。頑張る一方であきらめていた事もあったからです。そして、きっとその自分のやりたい方向への道を着実に歩み始めているからです。
□「空虚な気持ち」の正体
答えは「スピードの変化」だったのだと思います。
クリエイティブな業界には一種の中毒性があると思います。「時代を作っていってる感」というか、誰もやったことのないことにチャレンジしている感覚は、タバコよりもお酒よりも中毒性があったように思います。いわばクリエイティブジャンキー。
だからこそ魅力も強いため、ちょうど不良に惹かれがちな女子高生のように、そのクレイジーな生活を魅力に感じて陶酔して中毒化していくんだと思います。僕自身もクリエイティブな環境に中毒的にのめり込んでいた一人です。とってもとても楽しかったです。
ただ、離れてみて気付いた事も多くありました。あの流れの速さのなかでは見えなかったものがたくさん見えました。「幸せ」というものをじっくり考える時間もできました。嫁と息子と温かい飲み物を飲みながら話し合う時間が増えました。
速い流れのなかでは、景色も早く流れていきます。
だからこそ、きっと見落とすものも出てくるのだと思います。
お父さんの場合、仕事は勿論日々忙しいですし、帰ってきても早く寝ないと明日に響きます。お母さんの場合、家事はブラック企業を上回るほどの激務で、頑張ってるにも関わらず誰にも評価してもらえない厳しさまでついてきます。
仕事と家庭の両立を考えてみる場合、すこし立ち止まってちょっとした「幸せ」を意識してみるといいかもしれません。僕の場合はそれで大きく変わりました。僕にとっての幸せな生活はいま思えばこっちだったのかもしれません(クリエイティブ中毒症状は継続していますが…)
きっと毎日は小さな幸せな瞬間で溢れています。そのなかに目指すべき家庭の方向性やコンセプトが見えてくると思います。なにが幸せで、どうすればそれが手に入るのか。なにを優先し、どういった人生を送っていきたいのか。それが明確になって”自分なりの”人生のコンセプトが明確になり、そのコンセプトに則った適切な生活の速度を選択できるといいですね。
□ まとめ
僕が環境が変化するなかで感じた空虚な気持ちの正体は「スピードの変化」でした。それは夫々の人生の問題なので、良いも悪いも、正解も不正解もありません。ただ、僕の場合、時間の流れが多少なりとも緩やかな生活にシフトしたことで見えてきた幸せな部分もありました。だからこそ、普段忙殺されてしまっている場合、少し速度を落として日々の幸せに注目してみてもいいのかなと思います。
いつも通り脱線しまくりでしたが、人生なんてきっとそんなものです。
だから良いです。書きたいように書きます。綺麗なものを作ろうともしていないので。
Connecting The Data.
人間が大好きです。1989年、京都生まれ東京育ち。 新卒でサイバーエージェントに入社。その後、関西圏にてホテル経営におけるインバウンドマーケティング・レベニューマネージャーを経て、Baseconnect株式会社にJOIN。現職はData Manufacturing事業責任者。
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