痛みは解釈。

タイトルは、私の師匠、渡邊大介さんからいただいた言葉。


…あれは、忘れもしない2013年12月31日のこと。


走れる装備を整えて、あの箱根駅伝の復路スタート地点である箱根の山に集合という指示をもらい、あたりは薄暗くなり、お茶の間では紅白歌合戦が盛り上がりを見せる中、箱根の山に到着した。


師「大木、煩悩の数っていくつあるか知ってるか?」

私「知りません。」

師「108だ。大木、ここから靖国神社まで何キロあるか知ってるか?」

私「わかりません。」

師「だいたい108kmだ。走るぞ。」


そうして私たちは走り出した。


人生で10km以上走ったことのない私が、箱根山頂にある駅伝ミュージアムから山を下山して、東京は靖国神社を目指した。


真っ暗闇の中、ヘッドライトを頼りに数十キロある坂道を下っていくと、膝がミシミシと痛み出した。我慢しがたい痛み。爪先を中心に豆もできては潰れてを繰り返している。


そんな中、師匠が走りながらも耳元でこう囁いた。


「大木、痛みは解釈だ。」

「痛みは、脳が”痛み”だと判断しているだけなんだ。」

「”しんどい”っていう気持ちはなんだ?」

「その痛みをどう捉えるか、脳を錯覚できるかが勝負なんだ」


朦朧とする中で繰り返されるこのフレーズは、自然と脳裏に焼きついた。

気付いたら江ノ島にいた。箱根から50km付近だった。


ふと油断したその時、膝靭帯が悲鳴をあげた。

そこで、大木は痛みで走れなくなった。痛みは現実のものとなった。


そこで、私は取り残され、師匠と残りのメンバーは

引き続き靖国神社を目指し、無事完走していった。


大木は、江ノ島のデニーズ外で、江ノ島のヤンキーに囲まれながら初日の出をみた。

衝撃的な体験だった。日の出はとても綺麗だった。



なんとなく、思い出したので当時のことを書き殴ってみた。

本当に、ただ、なんとなく。

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Connecting The Data.

人間が大好きです。1989年、京都生まれ東京育ち。 新卒でサイバーエージェントに入社。その後、関西圏にてホテル経営におけるインバウンドマーケティング・レベニューマネージャーを経て、Baseconnect株式会社にJOIN。現職はData Manufacturing事業責任者。